- Good Quality -
まだ若い状態なので出来れば1〜2年は様子をみたいところですが、それでも決して飲めないような状態ではなく、現状でも抜栓後2〜3日経過させればその全貌を伺い知ることは十分可能です。
当初はカチッとした表層の質感や(中身は柔らかく流麗)、各要素の強い結束感が非常に印象的ですが、時間に比例して次第に滑らかになっていく傾向にあります。想像以上の充実感と品のある落ち着いた佇まいが好印象で、本質的な素性の良さや、造り手そのものが持つ良き手腕がコアにしっかり込められているので、結果的に味覚として感じる以上の満足感が伝わってきます(無理せず身の丈に見合った世界感なのが良い)。ワインとしてのスタイルや方向性はまったく異なりますが、その資質にアルローのオート・コート・ド・ニュイと似たものを感じるので、同様に「ヴァンサン・デュルイユ・ジャンティアルという造り手を知るための手がかり」として考えるればかなり有用なアイテムになりそうです。
一流メジャー産地ではないコート・シャロネーズのワインですが、偏見を捨てて向き合えばその高いクオリティに驚かされると思います。ただし、その分価格もやや高めなので、「造り手を知る」という観点からすれば、クリュ名のついていないスタンダードなリュリーから飲み初めても良さそうです。
(2009/08)