- Good Quality -
ベルナール・ドラグランジュのバック・ヴィンテージ蔵出し古酒となりますが、ラベルやキャップシールといった見た目は非常に綺麗で、液面の高さやコルクの状態からしてリコンディションボトルだと思われます。ただし、同年のオーセイ・デュレスと違ってコルクが多少柔らかくなっており、側面1/3程度まで染みていたのが多少気になるところではあります(同年のオークセイとはインポーターが異なる)。
色調がオーセイ・デュレスよりも多少濃く、その質感はいたって滑らかかつクリーンで経年に反する若さを感じるものではありますが、実際の中身は酸を主体としたもので、身の詰まった果実感はあるものの全体としては古酒らしい枯れきったものなので、このあたりは多少好みが分かれるかもしれません。表情の豊かさや要素の振幅さは控えめですが、一定の厚みにきっちり封じ込められたような充実感があり、思った以上にしっかりした造りになっているように感じます。抜栓直後から素直に開き、その後3日程度経過しても特に表情に変化が見られなかったので、ある意味扱いやすい部類に入る古酒と言えるかもしれません。
世界観自体はクラス相応といった感じではありますが、それよりも基本姿勢が「枯れた風味を持つ酸味主体の古酒」ということもあるので、どちらかといえば長期熟成を経たワインを普段から飲み慣れている人の方がより素直に楽しめそうです。
(2009/07)