- Good Quality -
比較的マイナーな地区から高品質なワインを生み出すことで有名な、グザヴィエ・コペルが1996年に設立したネゴシアンである「プリモ・パラテューム」の「ヴァン・ド・ペイ・ドック」です。1998年はクラシカとミトロジアにわかれておらず、このヴァン・ド・ペイ1種類となっています。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン70%にカベルネ・フラン30%。生産本数は7,500本となっています。
状態は良いものの、ヴィンテージの差なのか、それともミトロジアではないからか、先にチェックした1999年とは少しスタイルが異なります。比較すると、全体的にやや小振りで重量感も軽く、より酸が豊富で軽快な立ち回りになっているのが印象的です。とはいえ、プリモ・パラテュームらしい土台造りの良さは健在で、相対的に控えめではあるものの1999年と同質の痺れるタンニンや仄かな果実味なども感じられ、兼ね備えた表情は思いのほか明快です。
ポテンシャルのピーク頂点付近にあるとは思いますが、やや折り返しに入った印象もあり、各要素が時間とともに多少ぐらつくこともあったので、長時間グラスの中にとどめておくよりも、1杯ずつしっかり飲みきる方がより多くの魅力を引き出せるかもしれません。とはいえ、ボトルから移さなければ特に崩れることはなく、抜栓後も数日程度ではびくともしなかったので、必要以上に神経質になることはないとないと思います。
比較的手頃な価格帯で入手可能なことや、1999年との垂直試飲といった付随要素も楽しめるので、個人的にはお薦めしたいところですが、酸主体なだけに万人受けする系統とは言えず、さらに飲む環境や使用するグラスによる変化なども考慮すると、より多くのワインを飲み慣れている人向けのアイテムと言えるかもしれません(オールドヴィンテージを扱ったことのある人向け?)。
(2009/05)