- Good Quality -
傑出した年とされる2004年のレセルバですが、コアにおける指向性や目指すスタンスとしては同年のクリアンサと同系統になっています。果実感やその本質に、人の手ありきといった人為さや若干のあざとさが感じられますが(ネガティブではないものの一種の生産感が強い)、さすがにレセルバだけあって構成力に富み、裏でしっかり支える酸やしっかり主張する樽の苦み、そしてそれらを支えるタンニンの力が明確に感じられます。
抜栓後30〜40分程度で一体感が生まれ、各要素感の隔たりがなくなることもあってかとても素直に楽しめる表情へと推移します。翌日に持ち越すと逆にタンニンによる痺れが増す傾向にありましたが、それでも必要とされている世界観は十分発揮できているので特に大きな問題はないと思います。
根本的にこのスタイル自体にどこか納得できない部分があるのは事実ですが(スペインという地の持つ本質的な魅力がややかき消され気味)、それでも表面的にはとても美味しく飲めるワインであることに違いはないので、この価格帯のワインを抵抗なく購入できる人であれば大いに満足できると思います。今はまだ精製されたような指向性が見え隠れしていますが、この領域を一歩打ち抜けることができればより洗練された世界観へと繋がると思うので、ここは建設的に受け止めてその将来の発展を見守りたいところです。
(2009/04)