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2000年と2005年以来3度目の生産となるこの「ル・カンボン」は、平均樹齢50年以上のスペシャル・キュヴェとなっています。
一般的なボジョレーとは一線を画し、相変わらずガメイで造られたワインとは思えない程のポテンシャルを発揮してくれます。一般的なハイクオリティなワインにも相通じる構成力やタンニンの質感がみられ、十分な長熟系要素を持っていますが、完熟系の果実味からくる丸み、柔らかさ、甘味、そしてしっかりしたアルコールや粘性質からくるぽってりした表情が思いのほか印象的で、2005年とは違って初期段階から普通に楽しむことが出来ます。
ワインとしての質実性、自然派ワインとしてピュアさ、ボジョレーらしからぬポテンシャル、これらはしっかり兼ね備えていますが、明確な果実味や密度感のおかげで、意外と現代的な表情や指向性(良くも悪くも分かりやすい今時さ)が強くなっているように感じます。さらに、2006年のシェナにも多少通じる柔らかさやピントの甘さも若干気になるので(翌日に持ち越せば特に問題ないかも?)、全体像を大きく捉えて考えると、多少飲み手を選ぶ内容になっていると言えるかもしれません。
人によって評価が別れる可能性もありますが、それでも良質なワインであることに間違いはないので、価格帯の下限が大幅に下がっていることを考えると、お買い得度そのものはかなり高いと言えます。
(2009/03)