- Very Good Quality -
2000年以来2度目の生産となるこの「ル・カンボン」は、平均樹齢50年以上のスペシャル・キュヴェとなっています。「キュヴェ・マルセル・ラピエール」同様特別なワインですが、この「ル・カンボン」はより「ボジョレー(ガメイ)らしさ」に力点が置かれたようなスタイルなのが印象的です。
マルセル・ラピエールが手がけるクリュ・ボジョレーのイメージとして、高いポテンシャルを誇る「ガメイらしからぬ表情&世界観」といったものがあげられますが、このル・カンボンに関しては「ガメイの特徴が質実かつ真摯に表現されている」ように感じられます。
しっかりした構造体を持ち、良質なガメイの果実力からくる心地よい魅力も広がりますが、抜栓後2日目になると醪のような醤油醸造風味が漂い、一気に近寄り難い厳格な表情が目立つようになります。とはいえ、3日目になるとうまく陽的な果実味と相まって面白い表情を見せてくれるので、意外と熟成に関する潜在能力は高いのかもしれません。兼ね備えたエネルギーがそのまま「味(素直なわかりやすい美味しさ)」に直結してくれない傾向にあるので、表層的な美味しさはやや得にくい傾向にありますが(2005年のマルセル・ラピエールの他のワインと比較して)、そのかわり熟成による変化や昇華具合を楽しめそうなので、中長期的にみると意外と面白いアイテムになりそうです。
(2007/05)