- Good Quality -
20年前から古典的な有機農法や醸造を実践し続ける自然派の重鎮「マルセル・ラピエール」と、甥でありフィリップ・パカレの従兄弟でもある「クリストフ・パカレ」によるクリュ・ボジョレー「ジュリエナ」です。造り手の名前表記順が入れ替わったことからもわかるように、現在ではクリストフ・パカレが主導となって造っているようです。
程よくキュートな赤系果実のキャンディ風味が心地よく、いかにもボジョレーらしいニュートラルなスタイルを明確に表現していますが、それでも明朗だった2005年とはやや異なる指向性となっています。思いのほか多めのタンニンが内包されており、体躯の中心に「芯」を感じることもあってか、ピュアな心地よさよりも硬質感や質実な堅牢性の方が相対的に色濃くなっている傾向にあります。
過去、既にジュリエナを経験済みであれば改めて選択する必要はないかもしれませんが、鰹だしのような旨味を感じるラピエール節は健在で(和食に合うスタイル)、全体としてのパッケージング力もやや上向きになっている印象もあるので、以前よりも一段手頃な価格に落ち着いてきた現状を考えると、ラピエール系ワインの未経験者であればより積極的にお薦めしたいところです。
(2009/03)