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手描き風の独特のラベルがお馴染みの「ラ・パッション」ですが、カタランのヴァン・ド・ペイだった2006年とは異なり、2007年はより広域となるオックのヴァン・ド・ペイとなっています。
従来の良質な造りを一歩進めた傾向にあり、全体を通じてかなり整った印象を受けます。キッチリ仕上げられた性質故に、南仏というよりもオーストラリア(トルブレックなど)のようなニューワールド系に近い資質を感じます。
相変わらず良く出来たワインではありますが、魅力はあるものの全体的にアルコールが強い傾向にあり、ツンと来る風味が強いこともあってかやや飲みにくさが先行します。このままだとさすがに厳しいと思ったものの、翌日に持ち越すことで大幅に改善される傾向にあったので、とりあえずは許容範囲内と言えるのかもしれません。本来の美点を引き出す余地があるとはいえ、それでも本質的なアルコールの高さはコアに内包したままなので、根本的にアルコール耐性に自信がない人は注意が必要です。
2006年のような「素直に飲んで楽しい陽気さ」とはやや指向性が異なるも事実ですが、相変わらずの「高コストパフォーマンスワイン」であるのは間違いないので、選択したとしてもそう大きく外すことはないと思います。
(2009/02)