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ブロヴィアが手掛ける4つのクリュ・バローロの中のひとつで、カスティリオーネ・ファッレットにあるクリュ「ヴィッレーロ」の葡萄で造られるバローロとなっています。年間生産本数は僅か5,500本。畑は標高340mで南西向き、土壌は粘土及び石灰岩で、植樹は1961年に行われています。
程よく綺麗な飲み頃感ではありますが、現在の熟成度合いに反し、内包した各要素は思った以上に一体化が進んでいる印象です。たおやかで品位ある佇まいの中に、細くすっと立ちのぼる一筋の道があり、仄かに漂うヒンヤリした質感は、どことなく1999年のサンジョヴェーゼ系ワインを感じさせるものがあります。完成された世界がストレートに披露され、全域にわたって明確な美点が開花しますが、その反面、すべてが領域内に綺麗に収まっていることもあり、「リミットを超えるぐらいの何かがひとつぐらい欲しい」という想いも沸き起こります。
根底にある道筋としてはロッケと共通するものもありますが、たっぷりの果実味を味覚で楽しむようなスタイルではなく、あくまでも紡ぎ出される世界観をじっくり享受して楽しむスタイルなので、どちらかというと「バローロを飲み慣れている人や本質を理解している人向け」といえるかもしれません。いずれにせよ、一貫して良質な世界を披露してくれるのは確かなので、抜栓日で飲みきってしまわず、数日かけてじっくり向き合ってもらいたいところです。
(2009/01)