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ブロヴィアが手掛ける4つのクリュ・バローロの中のひとつで、カスティリオーネ・ファッレットにあるクリュ「ロッケ」の葡萄で造られるバローロとなっています。年間生産本数は僅か5,500本。畑は標高350mで南東向き、土壌は砂質で、植樹は1966年に行われています。
色調はネッビオーロらしいオレンジ色でやや薄め。伝統的なバローロに通じる良質な世界観とクリュの表情がしっかり表現されていますが、中央にカチッと集まる塊感があり、なにより「飲んで美味しい」と素直に感じる明確な果実の魅力が広がるので、ある意味「バローロを知らない人でも存分に楽しめるタイプ」といえるかもしれません。
基礎ベース力がしっかりしていながら、それでいてなおかつ「味覚的な美味しさを持つ分かりやすいバローロ」というのも珍しい存在だと感じますが、熟した果実の優しい魅力を筆頭にして、クリュの持つ力が心地よい余韻となって連なるその姿は、多くの人が文句なく楽しめる世界観だと言えます。
たおやかなテクスチャに格調ある佇まいなど、カスティリオーネ・ファッレットらしい表情がキッチリ構築されているので、抜栓後数日置いてこういった本質を露にしてから楽しむのもまた興味深いものがありますが、それでも当初の魅力ある表情を存分に楽しむ方が充足感を得られる傾向にあるのは確かなので、仮に抜栓日に飲みきってしまったとしても特に問題はないと思います。唯一問題になるとすれば、それはやはり「気軽に買えるような価格ではない」といったところかもしれません。
(2009/01)