進化と発展を続ける「日本ワイン」
キャンティ&キャンティ・クラッシコ
偉大なる王のワイン「バローロ」
ニュージーランドを牽引する日本人生産者
進化と発展を続ける「日本ワイン」
特別特集「シャブリ」
紡がれるブルゴーニュの伝説「ルロワ」
大地の恵みと多様なテロワール「エトナ」
新たな潮流「スパークリング日本酒」
ジュヴレ・シャンベルタン
白ワインの聖地「フリウリ」
特別特集「ニュイ・サン・ジョルジュ」
楽天市場「バローロ」
楽天市場「バルバレスコ」
楽天市場「パウエル&サン」
------

- Good Quality -

2006 Koonunga Hill Shiraz Cabernet
Penfolds生産者ワインリスト

Koonunga Hill Shiraz Cabernet Sauvignon

お手軽な価格帯でありながらも高評価を受けるクヌンガ・ヒルですが、かなりの価格上昇というマイナス要因はあるものの、それでも2006年は前回試飲した2004年同等のパーカー評になっているので、そのスタイルにどのような進化が見られるかに期待して挑みました。

抜栓直後からまさに「クヌンガ・ヒル」といった内容で、大量生産系特有の表層のフラットさがやや気になるものの、わかりやすい新世界的なムッチリ濃厚系ではなく、適度な密度を維持しながらピュアさや酸味を活かす系に推移しているように感じられ、思いのほかバランス面は良好です。

とはいえ、案の定全体としては「悪くはないがそれ相応」といったもので、例のごとく「作られた感」ある内容だと言えます(ここまではある意味予想通り)。問題は翌日以降に持ち越した場合で、前回の2004年は時間を与えることで明確に昇華してくれたので期待も膨らみますが、結果から言うと、残念ながら今回は翌日以降に持ち越しても大量生産的スタイルに変化はありませんでした。

いざ翌日に持ち越すと、より軽快な酸が主体となり、小粒ながらも小梅系風味も出てきます。しかし、ややあざとくとってつけたような傾向にあり、不自然に抽出したような収斂要素もあるので、大量生産的な指向性そのものに変化はみられません。この手の類い(ある種カザマッタ的?)としては一定レベルの技術進化が見られるものの、存在としての本質的な良さとはまったく違う方向性での歩みとも言えるので、質実さや自然な造りを好む人にとっては根本的に「対象外」だとも言えます。

2004年を飲んだ時に抱いた期待内容とは全く異なる方向で進化を遂げていましたが、本質の充実を犠牲にしたかわりに、より多くの人に安定した品質のワインをしっかり届けるという部分では進歩しているよう感じられるので、このあたりの方向性は造り手の意思の上でしっかりコントロールされているものだと思います。そういう意味においてはメリットも非常に多く、パーカー評によるマーケティング面も相乗効果となり(とはいえ、飲めばこの点数に意味がないのはすぐにわかりますが…)、造り手(というより会社?)として望む結果は大いに得られていそうな雰囲気があります。

総評すると、以前からクヌンガ・ヒルを愛飲している人にとっては、2006年も同じように十分楽しめる内容であり、逆に以前飲んで馴染めなかった人は、今回もまた同じように馴染めないといったところでしょうか。
(2008/12)

参考市場価格1,869円~2,394円(平均約2,025円)
点数評価91(WA)

ホーム > オーストラリア > クヌンガ・ヒル シラーズ カベルネ
Home > Australia > Koonunga Hill Shiraz Cabernet

Global Partners