- Good Quality -
2007年は福島産のシャルドネが42%、長野産のシャルドネが25%、山梨産の甲州が33%という比率でブレンドされ、従来同様原酒の良さを活かすために「無濾過」で瓶詰めされています。本年度の「Japan Wine Competition 2008(国産ワインコンクール)」では「銀賞」と「最優秀カテゴリー賞」を同時受賞を獲得し、その評価と知名度をさらに向上させています。
シャルドネが2/3を占めることや、無濾過ということもあり、身の詰まりそのものは十分なものがあります。見た目に関しては、特別澱的な濁りがあるわけではなく、多少くすみが見られる程度で、仕立ての方向性としてもセパージュ以上に甲州的なスッキリしたものになっているので、肩肘張らずに気軽に飲むことが出来ます。
質感などから醸し出されるコアの雰囲気そのものは「勝沼甲州」と似たものを感じるので、このあたりはさすがメルシャンといったところかもしれません。しかし、現状ではどうもシャルドネと甲州がかち合う傾向にあり、やや苦みが突出することもあってか、あまり素直に楽しむことが出来ません。ボトルの底の方になると、ノンフィルターらしい濁りが増し、抜栓当初は見られなかった素直な良さが表出する傾向にありましたが、ここに辿り着くまでの経緯を考えると、根本的に「シャルドネ&甲州」という組み合わせによるメリットはあまり感じられませんでした(纏まってはいるがやや発展途上的)。
(2008/12)