- Good Quality -
1998年にアレハンドロ・フェルナンデスに購入された「デエサ・ラ・グランハ」です。以前飲んだ2000年は「ビノ・デ・メサ(フランスでいうヴァン・ド・ターブル)」でしたが、今回の2002年は「ビノ・デ・ラ・ティエラ(フランスでいうヴァン・ド・ペイ)」となっています。
アレハンドロ・フェルナンデスのワインに通じる明確な仕立てが行われ、アメリカンオークらしいミルクの風味と粒の立つ苦み、そして伝統系譜を感じる酸など、フェルナンデス系のワインが好みの人であれば素直にハマる要素がしっかり込められています。現代のワインらしく体躯密度は十分ですが、その質感は水のように軽快なものなので、特に重たさを感じない適度な飲みやすさとなっています。
残念ながら、今回のロットはコルクに吹いた後が見られ、側面はほとんどワインで浸されたような状態でした。そういった諸々のコンディションが影響したのか、抜栓日はかなり表情がチグハグで、大切な何かが抜け落ちたかのような印象でした。しかし、それでも翌日に持ち越すとグッと持ちこたえ、さらに3日目にもなると、素性からくる本質が底支えしてくれているのか、抜栓日のチグハグさがすっかり消え去る程の昇華具合を見せてくれました。
状態の悪さと価格の上昇がやや気になりますが、その本質には以前と同じような歩調が感じられ(一長一短だが指向性は明確)、全体的に捉えた場合は概ね良好な評価が得られると思います。
(2008/10)