- Good Quality -
2006年のセパージュは、メルロー50%、カベルネ・フラン30%、サンジョヴェーゼ10%、シラー10%。前年の2005年と同じ品種構成で、比率もほとんど同じになっており、オーナーのチンツィア女史によると「理想に近い完成度」ということなので、新生ボルゲリ・ロッソが目指す造りの基本形はここにあると考えて良さそうです。
前年同様しっかりした構成要素力が感じられ、「早くから楽しめる」というスタイルもしっかり継承しています。ただし、早く飲めるとはいっても現状では外骨格に固さが見られ、全体的にカチッとした印象が残るので、できれば半年から1年程度は寝かせておきたい気分です。
翌日に持ち越すとかなり表情に変化が起き、ジャム的な過熟感や高めのアルコール風味が気になりだします。3日目になると今度は酸を残して多くの要素が弱まり、体躯の丸みやなで肩感が増加する傾向にありました。ここまでの変化具合を考えると、やはり現状では酒質が完全に定着していない状態だとも言えるので、既に美味しく飲めるとはいっても、もう暫く様子を見た方がより高い満足感が得られると思います(ケースで購入して月1で1年かけて飲むのがベストかも!?)。
明確な現代的醸造&栽培スタイルのおかげでしっかり仕上がっていますが、葡萄が本来持つポテンシャルに対して若干の行き過ぎ感があり、もう少し落ち着いても良いような印象を受けますが(とはいえ、暫く寝かせることで良い具合に昇華する可能性アリ)、葡萄からのエネルギーがしっかり伝わってくることもあって、基本的にはポジティブに受け止めることができます。構築された各要素の質は前年と同等、もしくは超えるレベルを披露してくれるので、懐具合としてやや上昇した価格が許容範囲であれば、今回も十分お薦めできます。
(2008/06)