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2005年のセパージュは、メルロー50%、カベルネ・フラン30%、サンジョヴェーゼ15%、シラー5%。2004年と比較し、メルローの比率アップに加えて新たな補助品種「シラー」が追加されています。
メルローの柔らかい口当たりが功を奏し、今飲んで素直に楽しめる美味しさと魅力を発揮してくれます。飲みやすくなるのに合わせて、本来のサンジョヴェーゼ気質は影を潜めるようになりましたが、そのかわり他の品種の魅力がしっかりと随所に配置されているので(まさに各品種の良い所取り)、総じて多くの人に受け入れられる世界観だと言えます。
新生「ボルゲリ・ロッソ」の持つ「早く飲める」というスタイルを一歩押し進め、多様性ある各品種の長所を存分に引き出しながらもうまくバランスをとっている印象があり、全体的に前年よりも要素の充実度が高まっているように感じます。明確なポテンシャルを感じるようなスタイルでないものの、屈託のない素直な美味しさが明確な美点となっているあたり、これこそが「ボルゲリ・ロッソの目指す方向性」と具に実感できるので、今後も現状の価格帯を維持しながら進化を続けられれば、トスカーナ派な人にとっては「日常の食卓を彩る新定番ワイン」となり得るかもしれません。
(2008/04)