- Very Good Quality -
ボルゲリの地でサッシカイアと並び称されているのが、この「オルネッライア」です。
落ち着いた佇まいに滑らかで流麗な舌触りが楽しめる、程よい熟成感が楽しめる状態となっていて、適度に熟れた魅力あるハーブ風味を主軸に、過熟傾向の資質からくる高アルコール感や果実味がインパクトあるアタックを生み出しています。
およそ10年の熟成によって初期の成長が一段落し、オルネッライアらしい世界観が遺憾なく発揮されている状態なので、更なる上を目指すような凄みよりも、程よく落ち着いたゆとりを感じる表情ではありますが、適度なサイズの体躯にしっかりエネルギーが充満し、そこからヒリヒリするようなタンニンがじわりと伝わってくるので、時間の経過とともに、熟した果実味が織りなすスタイルから、ひんやりした鉄球的な構造系の威厳を感じるスタイルへと推移します。
同じボルゲリで造られるボルドースタイルとはいえ、サッシカイアとは目指す方向がかなり異なるように感じられ、どちらかというと「ボルドーワイン」というより「カリフォルニアワイン」といった印象を受けます。優れたポテンシャルを兼ね備えているので、より長期の熟成にも十分耐えられますが、アタックのパワーや分かりやすい甘味を素直に享受した方が高い満足感が得られそうなので、数年の熟成で初期レベルの固ささえとれれば、後はどんどん飲んでいっても特に問題ないのかもしれません。総合的にはほぼ同じようなレベルに位置していますが、訴求力を心で感じる必要があるサッシカイアよりも難易度が低い傾向にあるので、より一般向けとして高い評価を得るワインだと言えそうです。
ちなみに、このワインは2002年度版のガンベロ・ロッソで最高評価となるトレ・ビッキエーリを獲得し、2001年度のワイン・スペクテイターでは年間第1位に選ばれています。
(2008/02)