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トルブレックのワインの中では最もコストパフォーマンスが高いウッドカッターズです。2003年からスクリューキャップが導入されていましたが、2006年は再びコルクに戻っているようです。
これまでのウッドカッターズとは若干異なる印象があり、果実力でグイグイ押す方向から、よりバランスを重視する方向に舵を切ったように感じます(もしかするとヴィンテージの特徴?)。従来の「詰め込めるだけ詰め込む」といった豊満な果実力がやや控えめになり、その世界観に見合う現実レベルに落ち着いたような印象で、その程よいバランス感覚によって訴求力が確実に向上しています(近年見られた洗練指向とは若干異なる類いの変化かも)。
体躯の堅牢さや構造力がほどほどなこともあり(結構柔らかめ)、翌日に持ち越すとやや儚さやフラットさが見て取れるようになりますが、抜栓日はトルブレックらしい果実の魅力がキッチリ型にハマった「素直な美味しさ」を遺憾なく発揮し、なおかつより上のクラスを彷彿させるような仄かな風格を漂わせてくれるので、過去のヴィンテージと比較してもより一層の「落ち着いた仕上がりの良さ」を感じます。
価格は多少上昇傾向にありますが、まさに「今すぐ飲んで文句なく美味しいワイン」の代表格とも言える銘柄なので、まだ当分の間は文句なくお薦めできる優良アイテムの座を堅持してくれると思います。
(2007/12)