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セッテ・ポンティが「マレンマ」の地で造るもうひとつのワインが「ポッジョ・アル・ルポ」です。土着品種と国際品種によるブレンドの妙が印象的な「オレーノ」とは異なり、こちらは国際品種の魅力を存分に表現したかのようなセパージュになっています(カベルネ・ソーヴィニョン70%、プティ・ヴェルド15%、アリカンテ15%)。
まさに「セッテ・ポンティのワイン」ということがストレートに伝わるスタイルなのが印象的で、基本姿勢や見据えた方向性、そしてその世界観など、多くの部分でオレーノとの類似性が見られます。そういう意味では「同じスタイル故に葡萄品種の違いが純粋に楽しめる」と言えますが、カベルネ・ソーヴィニヨンがベースになっているだけあり、オレーノが見せる「分かりやすい美味しさ」とは少し違った表情を見せてくれるので、思いのほか両者の飲み比べは面白くなっています。
抜栓日はやや緑系のハーブ風味が表立ち、カベルネワインらしい素直な表情が先行しますが、時間とともにかなり熟れ、翌日以降に持ち越すことで各要素の一体感や本質的な世界観が垣間みれるようになるので、最終的には「表層的な美味しさ」と「熟成による成長変化の期待」の両方を楽しむことができます。
純粋にワインとしての「美味しさ」や「完成度」を見ると、若干オレーノに分があるようにも感じられますが、オレーノにはない要素がポッジョ・アル・ルポに含まれているのもまた事実なので(それでいて若干オレーノよりもお手頃価格!)、全体を見据えた上での立ち位置としてはほぼ同格だと言って問題ないと思います。個人的にも「抜栓日はオレーノが好み」「翌日以降はポッジョ・アル・ルポが好み」と印象が別れたので、セッテ・ポンティの造りに共感できる人であれば両者共にチェックすることをお勧めします。
(2007/12)