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バローネ・リカーゾリといえば「カステッロ・ディ・ブローリオなどのハイクオリティなキャンティ・クラッシコを生み出す」というイメージがありますが、通常のキャンティでどれだけの世界観を提示してくれるかに興味が集まります。
全体的な印象としてはまさに「フレッシュ&キュート」。現代的な指向性による良質かつ凝縮感ある内容になっていますが(若干カザマッタ的な指向性)、総じて「キャンティらしい小粋なサイズの体躯に『これでもか!』と詰められるだけ詰めた」という印象になっています。数日経過させることで本質が見えてきますが、深く考えずに「とっとと飲んで楽しむ!」というのがピッタリハマるので、気軽なデイリーワインとしてキャンティの良さを再認識して欲しいところです。
モンテソーディのような、群を抜く世界観やポテンシャルを兼ね備えているわけではなく、あくまでも「わかりやすく美味しいキャンティ」という範疇におさまるレベルではありますが、「名前だけで中身が伴っていないシャバいキャンティ」が世の中に存在していることを考えると、手頃な日常価格帯をキープしつつもリカーゾリらしい指針が提示された「今を表すキャンティ」として、その存在価値は思いのほか大きいのかもしれません。
(2007/10)