- Good Quality -
このワインは、マルセル・ラピエール自身の名が付けられたスペシャル・キュヴェで、基本的に出来の良い年にしか生産されず、今回の2003年は2000年以来となります。カテゴリーがVdTなのでVT表記ができませんが、かわりに2003を表すローマ数字の「MMIII」が刻まれているので、ラベルを見ただけでもヴィンテージを判断することは可能です。
マルセル・ラピエールのワインにしては、思いのほか「強い凝縮感を感じる」傾向にあり、さすがに良い年に造られるスペシャル・キュヴェだということが素直に伝わります。とはいえ、口当たりは意外にもライトタッチで、凝縮感はあるものの仕立て具合はいたって優しくたおやかなのが印象的です。総括すると、果実そのものにスポットを当て、複雑性を排除しシンプルさをとことん突き詰めたかのような、とてもわかりやすい表情だと言えます。
他のクリュ・ボジョレーと比較するとやや高価なので、当初は「ラピエール節をより追求した高次元ワイン」かと思っていましたが、実際にはどこかリンシエメとも共通するような「良質な葡萄の結集」といったシンプルな指向性を感じます。素直に楽しめる美味しさがそこにあるのは確かですが、キュートな赤系果実の魅力がストレートに表現されていることもあるので、実際には玄人よりもむしろ女性や初心者の方が素直に楽しめるかも!?
(2007/05)