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ファースト・ヴィンテージは1995年。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーが各1/3ずつ。イタリアらしさを醸し出しながらも、現代的な洗練資質を高い次元で融合させた落ち着いた酒質の銘酒だと言えます。
抜栓直後から落ち着いた綺麗な樽使いが漂いますが(フレンチオークバリックで14ヶ月熟成)、やはり基幹となるのはイタリアらしい「酸」であり、このタイトながら流麗で気品を感じる表情を活かすかたちで(なぜかサンジョヴェーゼっぽい…)、現代的な造りや国際品種のふくよかさが加味されているので、この美点を享受できる人にとってはかなり高い満足感が得られると思います。
澱みのない現代的資質でありながらも、決して安易な方向に流れておらず、それでいてアルジャーノらしい「華」を感じる魅力がしっかり封じ込められているので(表情は違えど1995年のブルネッロと共通する美点を感じる)、個人的にはかなり高い評価を与えたくなりますが、と同時に、アメリカのワイン・スペクテイターがこのスタイルを高く評価し(大人の事情!?)、逆に日本のリアルワインガイドがやや低く評価していることに驚きを覚えます。
全体的には国際品種系のブレンドワインらしくなく、どうしても頭に想い描く像と感じる表情がシンクロせず釈然としない印象もありますが(サンジョヴェーゼがベースでメルロー&シラーが補助品種かと思ったほど…)、逆に言えばそれだけアルジャーノ流の意志が明確に具現化されているとも言えるので、そういう意味では純粋な「国際系ワイン」が好みの人よりも、「洗練されつつもイタリアらしいワイン」が好みの人の方がより高い満足感を得られると思います。個人的には、背景にある佇まいに1995年のオーパス・ワンと重なるものを感じたので(そういう意味ではやはりカベルネ的なのかも…)、パワー系よりも落ち着いた資質のワインが好みの人にお薦めしたいところです。
(2007/01)