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1997年がファースト・ヴィンテージとなる、ジャキーニのクリュの古木から造られる偉大なバローロ「ヴェッキエ・ヴィーニェ」です。1997年はワイナートで99点という脅威の評価を受け、堂々の第一位を獲得。今回の1998年もパーカーの高い評価を受け、2003年度のガンベロ・ロッソでも最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
コリーノらしい、葡萄の熟度が重視された「高アルコールボディ」というスタイルではありますが、直前に飲んだ他のクリュとは異なり、高いアルコールに負けないレベルで「強固なタンニン」、そして「酸」が位置し、全体的なバランス感がより整っている印象を受けます。
確かに凝縮感はありますが、エッジにかけてのレンガ色が「本来のバローロらしさ」を感じさせ、古木ベースならではのラ・モッラらしい滑らかさやタイトな精緻さが感じられるので、全体的には思いのほか「優しさ」「調和」「コアの威厳」等を感じます。バローロらしい水平に広がる柔らかさを持っていることもあり、抜栓日は滑らかに体に染み入るような資質を見せてくれますが、翌日に持ち越すことで痺れるようなタンニンが表出するので、「普段は優しくとも、怒らせると怖い「古き良き頑固親父」」といった印象も受けます。
ボトルの最後の方になると、全てのピースがはまった姿がチラッと見え、「もし運良く成長し続ければ、将来はかなり楽しみかも…」という感覚を覚えました。現状でも素直に楽しめますが、その偉大さを享受するにはまだまだ多くの時間が必要であり、なおかつ「真に開花するかどうかは未知数」という不確定要素も含んでいますが、バローロに思い入れがある人であれば相応の満足感が得られると思うので、まだ未チェックの場合はお薦めしたいところです。
(2007/01)