- Good Quality -
従来はチェレクイオの畑から造られるバローロとして「コンテイザ・チェレクイオ」と名付けられ、改植後の樹齢が低い区画のものはガヤラベルで「コンテイザ(バローロではなくランゲDOC)」として出荷されていましたが、現在のグロミスラベルは「チェレクイオ」と「シリオ」のブレンドで造られているので(1998年ヴィンテージから?)、結果としてクリュ名の入らない通常のバローロとして出荷されています。
1999年というヴィンテージのキャラクターなのか、直前に飲んだロベルト・ヴォエルツィオの「ラ・セッラ」と相通じる厳格系の性格を持ち、スタイル的には陰的要素の方が色濃くなっています。芳香性は強いものの、少し古めかしい小屋系のもので、加えてハイトーンながらややポッテリした酸が前面に打ち出されているので、体躯の安定感から来る現代性に反し、指向的にはやや古来性を感じます。
そつなく纏まった良質なバローロなのは確かですが、偉大なチェレクイオの単一クリュではなくなったせいか、基本解像力が不足した「普通の村名クラス」といった印象を受けるので、以前のヴィンテージよりも価格が高騰傾向にあることを考えると、コストパフォーマンス的にはやや難ありといったところかもしれません。それでも、ガヤの力量を感じさせるだけのポテンシャルは垣間見せてくれるので、よりよい開花を信じて後数年寝かせてみるというのもひとつの選択肢かも…。
(2006/12)