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プピーユのセカンド的ポジションに位置するワインですが、セパージュはメルロ-80%、カベルネ・フラン20%となっているので、表情や世界観はやや異なるかもしれません。名前から受け取る印象だと「シャトー」が付く分こちらの方が上なイメージを持ちますが、平均樹齢は30年、古樽とタンクで18ヶ月熟成となっているので、やはり「プピーユ」の方が一歩格上の扱いだと言えます。
インキーな風味が流れ、立ちのぼるアルコール、程よい滑らかさを持った体躯など、まさにメルローの良い部分に焦点が当たったワインだと感じます。丸さと適度な密度感があり、厚みはないもののどこを切っても同質同幅という独特の歩調の整いが感じられます。やや収斂性がみられますが、果実に豊かな力があり、素直に飲んで楽しめるスタイルなので、現状でも十二分に満足できると思います(翌日以降に持ち越すのがよりベター)。
比較的シンプルですが、安易なヴァラエタルワインではなく、クオリティ系メルローの血筋が垣間みれる「王道ボルドー」な資質を兼ね備えているので(カベルネ・フランによる補完が意外とイイ塩梅かも!?)、1k円台で購入できるボルドーワインとして考えればかなり納得できる出来だと思います。
(2006/10)