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「自分たちが造れる最高のもの」というコンセプトで造られる「リゼルヴァ・ドゥカーレ・オーロ」は、2年目のバリックで5ヶ月、40〜80hlの大樽で約30ヶ月熟成されます。セパージュは1999年以降サンジョヴェーゼが85%、残りの15%がコロリーノ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローとなっています。
2000年よりも完成度が高く、2001年というヴィンテージの力をうまく昇華できているような印象を受けます。スタイルとしては思いのほかモダンで、適度なバリック的バニラ風味が心地よく漂います。必要以上にコッテリした風味ではなく、良質なキャンティ・クラッシコ特有の背筋の張りやスラっとのびる酸をうまく引き立てる樽仕立てなので、現時点でもバランスの良さを素直に体感できます。
最も印象的だと感じたのが香り。かなり良質で緻密な芳香となっており、落ち着いた体躯と相まって質実な世界観構築に一役買っています(使用するグラスに注意)。しかし、残念ながら「解像力に欠ける」傾向にあるので、時間をともにすればするほど単調な性質が表に出てしまいます。程よい仕立て具合(リゼルヴァとして)と比較すると、葡萄そのものの絶対的なパワー不足を感じますが、この壁を越えるとなると偉大なキャンティ・クラッシコの領域に達することになるので、そういう意味では「現状、よくやっている」と捉えるべきなのかもしれません。
造り手はトラディショナルですが、ワイン自体は思いのほかモダンなスタイルなので(方向的には2002年のリゼルヴァ・ドゥカーレと同質)、親しみやすい反面、やや脆い儚さが奥底に見え隠れするのもまた事実です。とはいえ、みんなで1~2杯ずつという飲み方であれば良い部分だけをうまく享受できると思うので、より美味しく楽しめるサーヴを考えて飲めば問題ないと思います。
ちなみに、このワインは2005年度版ガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2006/09)