- Good Quality -
ファースト・ヴィンテージは1927年。歴史と伝統に裏打ちされたのがこの「リゼルヴァ・ドゥカーレ」です。
多雨で不作と言われた2002年のイメージとは裏腹に、わかりやすい果実の甘みが打ち出されているので、抜栓直後から素直に楽しめるスタイルになっています。
ややシンプルで細身の体躯がこぢんまりとした印象を与えますが、甘くわかりやすい特徴のおかげで、深く考える必要のないお手軽な楽しさがそこに存在します。やや短絡的な指向性なので軟弱なイメージもありますが(トラディショナルなスタイルではない)、「ヴィンテージの弱さを感じさせずにうまくまとめあげた」とポジティブに捉えてやれば、そう悪くはないと思います。
口当たりは良いものの、フィニッシュにかけて大樽系のやや古びた風味から来る枯渇した苦みがやや気になるので、そういう意味ではキャンティにおけるリゼルバ特有の問題を昇華しきれてないとも言えます。価格面を考えるともう少し頑張って欲しい気もしますが、それでも十分合格点は与えられるので、選んで失敗するようなことはないと思います。
(2006/09)