- Very Good Quality -
アルド・コンテルノが造る幻のバローロ「グランブッシア」。そのグランブッシア(コロンネッロ、ロミラスコ、チカーラのブレンド)のヴィナッチャを蒸留して造られるのがこのグラッパです。生産本数は非常に少なく、僅か1,097本となっています。
以前の試飲時(2004年)は、まだ出荷直後だったということもあり、樽のバニラ風味が浮くほど強く、ボディにまったく馴染んでいない状態でした。しかし、それでも評価する声があり、バランス面のマイナスを補うポテンシャルを感じられたのもまた事実でした。
バローロとしての「グランブッシア」といえば、とにかく「長期熟成(15〜20年以上)させなければ真価を発揮しない」という話も聞くので、グラッパに関しても多少はそういうスタンスを考慮して造られているのかもしれません。
今回改めて飲んでみた結果、一体感が驚くほど向上し、余分な要素の突出がない良質なパッケージング力を発揮してくれていることに素直に驚きました。以前はどうしてもバランス面での不均衡が気になりましたが、各要素が昇華したときの世界観は、ベルタの「トレ・ソーリ・トレ」に勝るとも劣らない個性と旨さを発揮してくれます(目指す方向やスタイルはかなり異なりますが)。
昇華後であっても樽的要因がハッキリしていますが、「グラッパらしい剛直さ」も垣間みられるので、非樽熟系グラッパの鋭さが好みな人でも比較的受け入れやすい樽熟系グラッパと言えるかもしれません。コスト的にも相対的にはかなり高い評価ができるので、1本手元に置き、その後数年かけてじっくり嗜むのにもってこいの1本だと思います。
(2004/12、2006/07、2017/11)