- Good Quality -
驚愕のトスカーナ・ワインとして有名な「テヌータ・ディ・トリノーロ」のセカンド・レンジに位置する「レ・クーポレ・トリノーロ」です。2002年ヴィンテージはフラッグシップのテヌータ・ディ・トリノーロが造られず、葡萄はすべてクーポレの方にまわされているようです。
率直に印象は、固く青い若さ溢れるカベルネ・フラン的タンニンが奥底に居座り、2001年よりは身近な距離感ではあるものの、厳格な表情が印象的なのでやや向き合いづらい傾向にあるということです。ただし、翌日に持ち越すことで柔らかい果実の甘みが滲みだし、固いタンニンを優しく諭してくれるので、潜在的なバランス感は2001年よりもやや優れている印象があります(少なくとも現時点では)。
まだ固い印象が強いのですが、本来の葡萄力が見えるレベルにあるので、今飲むにしても2日以上経過させればかなりのポテンシャルを引き出せると思います。作柄としては2001年に劣るかもしれませんが、すべてが一点に収束する瞬間をうまく捉えることができれば、2001年を超えるポテンシャルをみせてくれそうな雰囲気もあるので、コストパフォーマンスとしてはなかなか頑張っていると言えるのかもしれません。
トリノーロ的血筋は感じられるものの、確固たるアイデンティティを確立するには至っていないので、これからのヴィンテージに成長の期待が持てるといった印象があります。今はまだまだ成長期だと思うので、これから長い目で見守っていく楽しみを秘めた銘柄だと感じます。
(2005/12)