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驚愕のトスカーナ・ワインとして有名な「テヌータ・ディ・トリノーロ」のセカンド・レンジに位置する「レ・クーポレ・トリノーロ」です。
気になるセパージュは、カベルネ・フラン43%、メルロー27%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%、チェザネーゼ・ダフィーレ5%。イタリアらしい茶目っ気も確かに存在しますが、そのスタイルはまさに「ボルドー貫徹」といった感じ。しかも、風格を漂わせる濃密なバニラ風味によって高級感溢れる仕立具合となっています。
抜栓直後の最初の1杯から「なるほど」と思わせる美味しさがありますが、あまりにも表層が分厚いので、本来の葡萄力がいかほどのものかはまったく伺い知ることができませんでした。驚異的なトスカーナ力を体現したトリノーロのポテンシャルを信じたいところですが、翌日に持ち越したときの「崩れかかった甘ったるさ」が妙に気になったので、もしかすると早飲みするからこそ美味しいのではないか、と訝ってしまいます。
最新ヴィンテージと比較するとやや高価な価格帯に位置していますが、明確なスタンスと訴求力を兼ね備えているのは確かなので、それ相応の満足感は得られると思います。
(2005/12)