- Good Quality -
何かと話題の「シャトー・モン・ペラ」でお馴染みとなったデスパーニュ家が造る、高い評価を得たボルドー・シューベリュール「シャトー・ベレール・ペルポンシェール」です。セパージュはメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランのブレンドとなっているようです。
表層にしっかりと乗ったモダンな風味とは裏腹に、やや体躯の本質性に儚さを感じますが、クルミといった木の実系の風味に加え、細身ながらすっと立ちのぼる酸などが相まって、素直に美味しく飲めるワインだと言えます。
翌日に持ち越すと、思いのほか屈強なタンニンが顔を出し始め、抜栓日に見られたような口当たりの良さは影を潜めていました。直前に飲んだヴィラ・ベレールと同等の傾向があり(改めて見ると名前も似てますね…)、抜栓日と翌日のギャップや、美味しいのにどこか物足りない点など、ある意味同じ方向を向いたような現代的な仕立が多少気になります。
確かに文句なく素直に美味しいワインではありますが、本質から紡ぎだされる訴求力は価格帯を超えるようなものではなく、各要素の密度間に対して体躯がやや見劣りする気もします(要はバランスの問題)。パーカーの高評価とは裏腹に、個人的には直前に飲んだヴィラ・ベレールの方が世界観やポテンシャルはやや上だと感じました。
(2005/11)