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2002年のステディングは、グルナッシュをベースにマタロ(ムールヴェードル)とシラーズをブレンドし、フレンチオークとアメリカンオークの300リットルの古樽で18ヶ月間熟成されます。
抜栓直後の最初の一口こそ「2004年のウッドカッターズとそれほど大きな差がない」と感じましたが、タンニンの密度や精緻さからくる解像感がひとつ上の次元に位置し、落ち着いた様相と大人の雰囲気を漂わせる余韻を飲み手に与えるあたり、素直にさすがだと感じさせられます。
2000年のステディングと同様に、翌日に持ち越すほどの時間を与えた場合の「落差のある落ち着き具合」は確かに健在でしたが、今回のヴィンテージに関してはネガティブな印象は特になく、ステディングらしい落ち着きある表情をよりフィーチャーしたような程よい印象となっていました。
潜在的なポテンシャルもある程度見込め、なおかつ今飲んでも過不足なく美味しく楽しめる、そんな時と場を選ばない懐の余裕を感じます。しかしその一方で、葡萄力からくる本質部分がウッドカッターズと同等のレベルなので、逆に言えばウッドカッターズのコストパフォーマンスの高さが際立ちます。世界観が異なるので同列では比較できませんが、どの価格帯であってもしっかり「トルブレック節」を表現してくれるので、相対的な満足感は比較的高いと思います。
(2005/11)