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「ボデガス・エレ・ロペス・デ・エレディア・ビーニャ・トンドニア」はリオハを代表する伝統的な造り手のひとつで、1877年にチリ出身の「ラファエル・ロペス・エレディア・ランデータ」によって創立されました。
比較的似た価格帯である「ヴィーニャ・トンドニア」と「ヴィーニャ・ボスコニア」の違いですが、ボルドー・タイプのボトルに詰められたヴィーニャ・トンドニアの方が樽熟成期間が長く(発酵、熟成はアメリカンオークを使用)、よりクラシカルなスタイルになっているようです。
抜栓直後から素直に楽しめる距離感が心地よく、しっかりとした表情と柔らかさを兼ね備えた果実味が好印象となっています。長期間の熟成によって全体的には熟れた感があり、ボディ自体も細身ではあるのですが、コアに思った以上の持続力があるので、価格帯を考えると非常に良質な古酒だと言えます。
タンニンがすっかり柔らかくなっているのでビーニャ・ボスコニアよりも熟れた印象を受けますが、肩幅や立体感が半周り大きい印象で(密度感は同等ですが…)、全体的なバランスの良さと素直さが心に残ります。最終的には2日ほど様子を見てみましたが、時間が経つにつれて開いたり閉じたりを繰り返す傾向にあり、一定の安定感はあるものの、ややつかみ所のない印象も残ります。
特筆すべき点は特にありませんが、「安心して購入できる良質な古酒」という部分においては一定の評価ができると思います。加えてビーニャ・ボスコニアとの比較など、付随して楽しめる部分も多々あるので、大きな失敗をすることはない安心できる1本と言ったところでしょうか。
(2005/11)