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「ボデガス・エレ・ロペス・デ・エレディア・ビーニャ・トンドニア」はリオハを代表する伝統的な造り手のひとつで、1877年にチリ出身の「ラファエル・ロペス・エレディア・ランデータ」によって創立されました。
比較的似た価格帯である「ヴィーニャ・トンドニア」と「ヴィーニャ・ボスコニア」の違いですが、ブルゴーニュ・タイプのボトルに詰められたヴィーニャ・ボスコニアの方がテンプラニーリョのブレンド比率が高く、より若々しい果実味で若い世代向けとなっているようです。
約30年という長い年月の経過によって、ピノ・ノワールを感じさせるような要素や、より柔らかい物腰と表情を獲得してはいますが、未だ生き生きとした果実味とタンニンが印象的なので、熟れた古酒らしさよりもある種の「維持された若さ」をより強く感じます(リコルクものではありません)。
時間とともに本来の姿が表れ始めますが、ある時点を境にして果実味に千枚漬け的な漬け物風味が混じってくるので、個人的にはこの風味が出始めてからさらに1~2日ほど経過させてやる方がより楽しめると感じました。時間とともに大きく昇華されていくわけではありませんが、今回は抜栓から3日程経過したありでようやく本質的な良さが見えてきたので、純粋な「味」とはまた違う部分でのポテンシャルに評価できる要素があるのかもしれません。
世間の評価は想像を超えるほどの高さとなっていますが、今回飲んだ印象はあくまでも「価格に見合った良質なスペイン古酒」という範疇におさまる内容だったので、必要以上に過大な期待は持たない方が無難です。他に気になる点としては、キャップシールのかわりにロウが使用されているのですが、ややコルクが浮き気味で上部のロウが少し薄くなっているので、そのままスクリューを刺して簡単に抜栓できる利点がある反面、やや状態が気になるという側面もあります。とはいえ、中身に問題があるということはなく、まだまだ長い時間を過ごせるだけの力を保有しているは確かなので、今すぐに飲むためだけではなく、将来のためのストック用として購入するのもアリだと思います。
(2005/11)