- Good Quality -
最初の1口目に来る印象としては、バリック仕立のモダンで近づきやすい表情で、甘くコッテリとした要素が旨さを引き立ててくれます。時間とともにハイトーンでサンジョヴェーゼらしい酸が顔を出しますが、骨格との距離が思いのほかあるので、現時点ではやや一体感に欠ける状態だと言えます。
翌日に持ち越すと、まさに酸を基調とした質実なサンジョヴェーゼワインといった様相を呈し始めますが、抜栓日よりも一体感が増すものの、あくまでも酸が他の要素を覆い尽くしているに過ぎず、まだまだ打ち解けるような状態ではありませんでした。フラッチャネッロらしいコア力はあるものの、表情としてはややトラディショナルな側面がキーとなっているのかもしれません。よりポテンシャルを引き出そうと思うならば、もう数年寝かせておく方が良い結果が得られると思います。
ヴィンテージ的な側面を考えると評価できる内容であり、長期的な視野で捉えた場合の潜在能力もある程度共感することができます。しかし、現時点ではやや難がある印象が強く、それ以上の問題として「高価な価格帯」があげられます。想像を超えるポテンシャルを発揮してくれた前年の1999年や、ワイン・スペクテイターで最高の評価を得た翌年の2001年のことを考えると、現在の市場価格はやや高いと感じるので、平均的な市場価格よりも手頃な価格で買えた場合のみお薦めできるというのが率直な感想です。
ちなみに、このワインは2004年度版ガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2005/10)