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高品質のソアーヴェをいち早く世に送り出したことで有名なアンセルミのワインです。ソアーヴェの実情に嘆き、DOCGへの昇格に異を唱えるとともに脱退を表明したこともあって、現在はソアーヴェの名を冠したワインを造っていません(ヴェネト・ビアンコのIGTとして出荷)。しかし、それでも高品質なワインを造り続ける姿勢に何ら変化はなく、アンセルミ流は決して色あせることはありません。
同価格帯のカピテル・フォスカリーノはステンレスタンクで造られますが、このカピテル・クローチェは樽発酵、樽熟成で造られます。
2001年ヴィンテージは2004年度版のガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しており、近年では1999年~2003年までが連続してトレ・ビッキエーリを獲得しています。しかし、実際にはカピテル・フォスカリーノと比較して明確なクオリティの差があるわけではなく、あくまでも世界観を広げるために異なる表現手法を選択した、という印象を受けます。
よりピュアな果実らしさが印象的だったフォスカリーノとはやや異なり、クローチェの方は構造力や堅牢感が強化されているように感じます。このあたりは樽による効果が色濃く表れているのだと思います。抜栓後3日経過したフォスカリーノの場合、果実力はしっかり堅持され、それ以外の要素がなだらかに落ちていく傾向にありましたが(それゆえ甘みが強調される)、クローチェの方は構造に力がある分、3日経過しても各要素がうまくバランスを整えているように感じました。フィーチャーされるポイントは異なりますが、大きく捉えた場合はどちらも同レベルのクオリティを兼ね備えていると言えます。
(2005/06)