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高品質のソアーヴェをいち早く世に送り出したことで有名なアンセルミのワインです。ソアーヴェの実情に嘆き、DOCGへの昇格に異を唱えるとともに脱退を表明したこともあって、現在はソアーヴェの名を冠したワインを造っていません(ヴェネト・ビアンコのIGTとして出荷)。しかし、それでも高品質なワインを造り続ける姿勢に何ら変化はなく、アンセルミ流は決して色あせることはありません。
カピテル・フォスカリーノは、ガルガネガ80%、トレッビアーノ20%というセパージュで、発酵と熟成にはステンレスタンクが使用されます。
2003年のサン・ヴィンチェンツォのような明快な美味しさとはスタイルが異なりますが、各要素が整い互いを邪魔しない形で整然としている印象があります。甘みを感じる果実の力や酸、軽くオイリーなナッティ風味、コアに力のある構造力など、安定して評価できるポイントを兼ね備えています。
やや表層が丸く緩めでスルリと滑り落ちる印象がありますが、ブレがなく落ち着きを感じさせるたたずまいのおかげで、千円台のワインとは思えない訴求力を発揮してくれます。明確な魅力が前面に打ち出されているわけではないのでやや物足りなさを感じますが、それでもワンランク上の質実さを体感するにはちょうど良いアイテムだと思います。
(2005/06)