- Very Good Quality -
ヘンチキ、ペンフォールズ、ミッチェルトンで醸造を経験してきた、オーストラリア生まれの女性醸造家ネリダ・アボット、その夫で同じく醸造家のスネッド、ロンドンのインポーター出身のアンダーソン、この3人でワイナリーが運営されています。
このアチェンドは、コトー・デュ・ラングドックの単一畑から25hl/haという低収量で造られる、シラー100%のスペシャル・キュヴェとなっています。リゼルヴァの表記があるように、熟成にはフレンチオークの新樽が使用され、期間は24ヶ月となっています。
ハイトーンな酸とリゼルヴァらしい重厚な樽の風味が際立って印象的ですが、艶やかな表層や落ち着いた纏まり具合、繊細でありながらも凝縮した果実力など、基本とするスタイルはアボッツらしいものとなっています。ただし、和風とも言える梅昆布だし的な旨味成分の凝縮度がコルディスよりも一層強く、ミッチリと身の詰まった質実さをより良く感じます。
南仏らしい柑橘風味の酸が一筋の張りを生み出していますが、時間が経過するとともに旨味成分と果実の甘味が浸透していくので、それ程飲みにくさは感じません。可能性という意味でのポテンシャルは感じますが、それがわかりやすい形で「味そのもの」に直結しているわけではないので、素直な美味しさを追求するようなスタイルではないと言えます。絶対価格が高く、コストパフォーマンスという観点ではやや分が悪いという側面もあるので、正直なところ一般的にはあまりお薦めできません。しかし、より突き詰めた「アボッツ流の意志」を感じるには程よいアイテムだと言えます。
(2005/05)