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「ボジョレー」という言葉の響きからくるイメージとはまったく別次元のハイクオリティワインを生み出す、自然派ワインの造り手「マルセル・ラピエール」の「ムーラン・ナ・ヴァン(意味は「風車」)」です。
ムーラン・ナ・ヴァンは「ボジョレーの王様」とも呼ばれるクリュで、230〜390mの東向きの緩やかな丘となっています。ボジョレーの中でも重めのボディとバランスの良さがポイントだと言えます。
マルセル・ラピエールのワインは2001年のモルゴン以来となりますが、今回はクリュ違いとはいえ、2003年というヴィンテージの威力が存分に発揮された素晴らしい内容となっていました。
以前飲んだ印象と同様で、どう考えても「ガメイ」とは思えない程のポテンシャルとナチュラルな旨さを兼ね備えています。ムッチリと身の詰まった純度の高い果実の魅力を存分に楽しめ、なおかつ非常に高い満足感を得ることができます。凝縮度が高くギッシリとした密度を感じますが、決して重量感に偏ることなく、飲みやすい方向へと促す瑞々しさがあるのでスルッと喉を通ります。
抜栓日はややエッジが丸く僅かに引き締まりに欠ける印象もありましたが(時間を与えると改善される傾向にありました)、この有無を言わさぬ完成度の高さと確立されたアイデンティティは、否定することが困難な程の魅力となって飲み手の前に表れます。価格は上昇傾向にありますが、それに見合うポテンシャルは十二分に兼ね備えているので、かなりお薦め度の高いクリュ・ボジョレーだと言えます。
(2005/03)