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ボジョレーの地で70年代から有機農法を続けるマルセル・ラピエールが手がけるクリュ・ボジョレーの「モルゴン」です。単にビオワインというだけでなく、葡萄は天然酵母のみで発酵され、補糖や酸化防止剤の添加は行われず、最後はノンフィルターで瓶詰めするという徹底ぶりです。さらにキャップシールには「ロウ」を使用し長期熟成に備えるなど、通常のボジョレーとは一線を画す造りとなっています。
2001年はフラッグ・シップとなる「キュヴェ・マルセル・ラピエール」が造られなかったため、このモルゴンが事実上のハイエンドとなります。最初は「もしかするとまだ飲むには早いのかも?」と思いながら抜栓しましたが、実際には現段階でも十二分にその美味しさが伝わってきます。抜栓直後は天然酵母から来る独特の香りが充満していますが、15分程度で抜けるので少し待ってから飲めば特に問題はないでしょう。全体的なイメージは「しなやかで心地よいフィニッシュを持った個性的なワイン」といった感じです。確かに味そのものはガメイなのですが、素直な心地よさを感じさせてくれる訴求力があり、今までにはない感動を与えてくれます。やはり葡萄そのものが持つ「力」が根本的に異なるのかもしれません。
必要以上に気にすることはありませんが、自然に発生するSO2のみに頼っているせいか、若干空気に敏感な気がしました。現状では抜栓日にゆっくり時間をかけて飲みきるというのがベストかもしれません。群を抜いて美味しいというスタイルではありませんが、かなり興味深い世界を持っていることは確かなので、飲む価値は大いにあると思います。
(2003/05)