- Good Quality -
プリューレ・ロックの醸造長を長年務めたことや、マルセル・ラピエールの甥としても有名なフィリップ・パカレのヴァン・ド・プリムールです。
いわゆる「ボジョレー・ヌーヴォー」にあたるワインなので、その多くは解禁日となる2004年11月の第3木曜日近辺で飲まれていると思います。前年の2003年ヴィンテージがとんでもないパフォーマンスを誇っていただけに注目が集まりますが、価格の上昇もみられたので今回は数ヶ月後に到着する船便を待つことにしました(解禁日に届く航空便だと価格の半分ぐらいが輸送費になるという話も…)。
解禁日から約4ヶ月も経過しているので一概に比較することはできませんが、抜栓直後はかなりこぢんまりとした印章があり、時間とともに徐々に開いてはきますが、構造面での平たさや、フィニッシュにかけて現れる水で薄められたような希薄感がやや気になります。とはいえ、コアに鎮座する果実の堅牢感はなかなかのものがあり、そもそも直接的な味というよりは秘められた滋味で勝負するタイプのワインなので、総じた満足感は比較的高いものとなっています。少なくとも、飲んでいて「ボジョレー・ヌーヴォー」だということをすっかり忘れてしまう程の世界観には素直に納得させられます。
今の時期に3,000円~4,000円も出して買うのはどうかと思いますが、船便を待って2,000円前後という手軽な価格帯で手に入るのであれば、コストパフォーマンス的には十分満足できるものを発揮してくれると思います。昨年末、価格の問題でスルーしたような人には特にお薦めです。
(2005/03)