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最初の単一クリュ・キャンティと言えば、1982年にアマが「ヴィニェート・ベッラヴィスタ」を、1983年にフェルシナが「ランチャ」を、そして1985年にフォントディが「ヴィーニャ・デル・ソルボ」を造ったことがあげられます。これらはその後の「クリュ指向」という流れを作ったワイン達であり、まさに「単一畑によるキャンティ・クラッシコの礎」を築いたワイン達だとも言えます。
2000年ヴィンテージのランチャは、2004年度版ガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得していますが、決して絶対的な内容を誇っているのではなく、キュートで丸い果実味とサンジョヴェーゼらしい活き活きした酸が相まった纏まり感あるスタイルとなっています。
リゼルヴァとは思えないほど外向的な表情が印象的で、樽的な力感はほとんど感じられず、特に抜栓間もない時は魅力的な果実味がより印象強くなっています。ただし、翌日に持ち越すように時間をしっかり与えた場合は、徐々に収斂したタンニンが滲み出てくる傾向にあったので、現時点では素直に楽しめる抜栓日に飲みきってしまう方が楽しめるのかもしれません。
まだ4年強しか経過していませんが、現時点で既に魅力ある表情と構造の纏まりをみせており、サンジョヴェーゼの資質をしっかり堪能できる良質な世界観を披露してくれます。まさに「元祖クリュ・キャンティ」といえる良質なアイデンティティを楽しむにはちょうどよい懐具合なので、試してみる価値は大いにあると思います。
(2005/03)