- Good Quality -
以前飲んだ1997年ヴィンテージはやや早熟な印象がありましたが、今回の1998年ヴィンテージは逆に若々しく、まだまだこれからが本領発揮という印象でした。
酸味、苦み、渋み、果実味といった順に要素の力関係が並び、終始しっかりとしたブレのない力のある酸が全体を統轄しています。キュートな果実味は存在しますが、現段階では他の要素に覆われているので、時間の経過による変化で稀に顔を出すといった感じでした。現状では翌日に持ち越すぐらいでようやく纏まり始めるといった程度なので、まだまだ各要素がそれぞれで主張している段階です。しかし、クリアで硬質な表情が全体に漂い、トータルでの質実さと堅牢さはしっかりと持ち合わせています。1997年ヴィンテージにもみられたピリッとした苦みは健在ですが、取り立てて邪魔になる程の突出した苦みではなかったので、今回は素直に受け入れることができました。
まだ若い面が強い上に、ややクリアで冷淡過ぎるきらいもありますが(ヴィンテージの特徴かも?)、これだけの構成要素を持ちながらも価格を低く抑えていることを考えると、純粋なコストパフォーマンスはかなり高いと言えます。
(2004/12)