- Good Quality -
テスタマッタで一躍名を馳せたビービー・グラーツが、より手軽で幅広い層向けのワインとして、買い葡萄によるワイン生産プロジェクト「カンティーナマッタ」をスタートさせました。グラーツが近隣地域の良質な葡萄ジュースを購入し、テスタマッタの醸造コンサルトであるアルベルト・アントニーニが醸造を担当します。
少し前に飲む機会があったのですが、その時の印象があまり良くないものだったので、正直なところあまり期待はしていませんでした。身の詰まりとフレッシュさはともかく、現状では各要素が紡ぎあげる結果が旨味に直結しておらず、駄菓子のラムネ的な果実の風味がどうにも気になります。
比較的手軽な早飲み系ワインとはいえ、現時点で飲むならば数日かけてじっくり向き合う方が無難だと思います。抜栓日の印象はあまりよくありませんが、翌日に持ち越すと纏まり感が増し、3日目になるとイヤらしさのあった果実の風味がこなれ、意外な力と訴求力を発揮しだします。
表面上はかなり風変わりな表情で固められているので、端的に見た場合はかなり好みがわかれそうな気がします。秘めた力は評価したいので、個人的には「もう飲み頃は過ぎたかも?」という時期まで寝かせておくのも面白そうだと感じました。ただし、この価格帯で勝負するには少し厳しいものがあるので、せめて現状の2/3程度の価格に抑えられると有り難いところです。
(2004/10、2006/02)