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2000年はペルカルロが造られず、リゼルヴァのレンジに格下げして「レ・バロンコーレ」というキャンティ・クラッシコになりました。2000年は確かに大きなヴィンテージではありませんが、かといって悪いヴィンテージでもないので、この価格帯でペルカルロの血筋が楽しめると考えると、気分的にはお得感があるかもしれません。
先日試飲した2001年のキャンティ・クラッシコも良質なスタイルで素直に楽しめましたが、このバロンコーレは明らかに異なる資質を持ち、抜栓直後からその世界観を遺憾なく発揮してくれます。優美で甘く角の丸いバニラの樽風味が心地よく、現時点でも既に果実味と融合し始めているので、ペルカルロ的な長熟資質とは大きく異なるスタイルだと思います。
翌日に持ち越すと奥に潜むサンジョヴェーゼ的な酸味も顔を出し始めますが、それでも全体としてのイメージは「コッテリとした風味で甘いモダンなスーパータスカン」といった印象で、既に「キャンティ」ではなく「レンテンナーノのワイン」といったアインデンティティが確立されているように感じます。しかし、かといって特に豊満なボディを持っているわけではなく、モダンな中にも独自のエレガントさを感じる、あくまでもパッケージングで勝負するワインなのだと思います。
ルカ・マルティーニ・ディ・チガーラは「グレート・ヴィンテージだと感じたが、醸造したらヘンなワインになっていた」と語っていますが、例えペルカルロにはなれずとも、レンテンナーノの看板を掲げられるだけのポテンシャルはしっかり打ち出せているので、個人的にはしっかり評価しお薦めしたい1本だと感じます。
(2004/07)