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モスコーニで収穫されるバルベーラ100%で造られるバルベーラ・ダルバです。1998年のクワトル・ナスと同様に、バリックで24ヶ月、さらに瓶熟12ヶ月を経て出荷されます。
ランゲ・ロッソのクワトル・ナスと同じように抜栓直後から楽しめますが、多少時間を与えた方がより多くの可能性が開けるかもしれません。当初はバルベーラらしい酸を基調としたスタイルで展開されますが、徐々に完熟した葡萄の甘みが増大していく傾向にあります。酸はしっかり存在していますが、その周囲を享楽的なまでの果実味が覆い尽くしていくので、深く考える必要のないわかりやすい美味しさがそこに表れます。ただし、あまりにも豊満な果実味となっているので、逆に言えば「バルベーラ・ダルバである必要がない」と否定的に捉えたくもなります。明らかに想像する一般的なバルベーラ・ダルバの世界観とは異なり、短絡的に今風のスタイルを追い求めているだけと言えるのかもしれませんが、それでも美味しいのは確かであり、なにより葡萄にしっかりとした力を感じます。抜栓後3日目となりボトルの底の方になると、単に甘いだけの果実味ではないと期待したくなる一面も見せてくれたので、しっかりと時間を与えて真の力を見定めてみたい気もします(うまく熟成するかどうかは未知数)。
構成要素はシンプルな反面、非常にわかりやすいスタイルになっているので、特別にバルベーラが好きな人たちではなく、これからワインに触れる人や、逆にイタリアワインに対するイメージが固まってしまっている人達に飲んでもらいたいワインです。多少八方美人的ではありますが、北イタリアから生まれる新たな方向性を実感できる興味深い1本だと思います。
(2004/03)