- Good Quality -
ネッビオーロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ネロというオリジナリティ溢れるブレンドで造られ、バリックで24ヶ月、さらに瓶熟12ヶ月を経て出荷されます。ファースト・ヴィンテージが1996年なのでまだ歴史は浅いのですが、そのファースト・ヴィンテージがいきなり1999年度のガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得し話題となりました(今回の1998年ヴィンテージはドゥエ・ビッキエーリ)。
同じランゲ・ロッソのブリッコ・マンゾーニとは異なり、こちらは抜栓直後から素直に楽しめる内容になっていました。広がりや訴求力はやや控えめですが、独特のブレンドで紡ぎだされる世界観は興味深く、様々な風味と各葡萄品種の特長をより良く堪能することができます。抜栓翌日には「よく熟れた南国的果実味」といった要素が表れ、ネッビオーロの骨格をうまく色付けします。さらに3日目になると、緩さと厳しさを兼ね備えた面白みのある表情へと推移していました。全体的に見て、素直に楽しむことができる現代風で親近感のあるスタイルだと思います。
ブリッコ・マンゾーニよりも構成要素に優れ堅牢感があり、さらにタンニンも豊富ではありますが、少し綺麗に収まり過ぎている傾向にあるので、環境や飲む人の嗜好によっては微妙に印象が変化するかもしれません。方向性はバローロともブリッコ・マンゾーニとも異なりますが、クオリティやポテンシャル自体は同質のものを堅持していると思います。ただし、この価格帯からくる印象としては、付加価値的な「風格」に若干の物足りなさを感じます。完成度が向上するのはまだまだこれからだと思うので、今後の発展と将来のヴィンテージに期待したいところです。
(2004/03)