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最上のマルヴァジアを数ヶ月間陰干しして糖度を上げた後、オークの小樽に入れられボトリングまで5年間熟成されます。独特の製法で造られるトスカーナ地方特有の甘口ワイン「ヴィン・サント・デル・キャンティ・クラッシコ」ですが、今回はバローネ・リカーゾリのフラッグシップと言える「カステッロ・ディ・ブローリオ」のヴィン・サントであり、1997年というトスカーナでの偉大なヴィンテージとなっています。
「甘口」や「極甘口」といった印象とは異なり、甘みは感じるもののかなり控えめとなっています。奥底に潜みダレずに伸びる心地よい甘さが高貴な風味とうまく絡み、かなり完成度の高い独自の世界観を生み出しています。高アルコール(17.5%)で、印象としては甘口ワインというより酒精強化ワインといった印象があり、比較的バニュルスに近く「気軽に飲めるブランデー」といった食後酒的なスタイルとなっています。
本来はあまり得意ではない系統なのですが、バローネ・リカーゾリ特有の気品の高さと背筋の張りが心地よく、素直に「美味しい」と実感することができました。1997年という偉大なヴィンテージや昨今のユーロ高の影響もあり価格はやや高めではありますが、それに見合ったクオリティとポテンシャルは持ち合わせていると思います。
(2004/03)