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約3年ぶりとなる1997年のテオフィロ・レイエスです。当時の印象である「圧倒的に力強いタンニンを持つフルボディ」とは180度異なり、しっかり熟成し飲み頃に入った、優しさの感じられるミディアムボディのスタイルとなっていました。
抜栓日の印象は、正直いうと物足りない部分が多くを占め、感覚として残るイメージとのギャップに苛まれる結果となりました。3年による月日を経たことで、不必要なタンニンがそぎ落とされ全く違う表情を見せ始めます。当初は果実の力もあまり見られなかったので、流麗で高貴なバニラ風味だけで成り立っているような印象でした。しかし、日を置くことで果実の力がジワジワ蘇り、桃のような果実の風味が樽要素とうまく絡み合い、素直に美味しいと感じるスタイルへと変化しました。
以前飲んだ印象が頭に残っていると、どうしても比較対象になるので否定的になってしまいがちですが、割り切って今の状態をしっかり見つめた場合、優しい姿と奥底に流れる往年の力強さが印象的で、素直に身を任せることができます。
(2000、2003/04)