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1988年がファーストヴィンテージであり、1994年のトレ・ビッキエーリ獲得以降、高品質を維持しています。まさにポデーレ・ラ・ブランカイアの主力商品といえるワインであり、ここ最近では1997年から3年連続でトレ・ビッキエーリを獲得するという高評価を得ています(1995年、1996年はドゥエ・ビッキエーリ)。
マッツェイやカルロ・フェッリーニに教えられながらも、年々品質を向上させるための改革を行っているようで、所有する3つの畑からとれた葡萄をブレンドした「トレ(イタリア語で「3」の意味)」という名の新しいワインの登場など、今後の展開に一層期待が持てる造り手だといえます(トレの発売により、このワインの名がブランカイアからイル・ブルに改名されました)。
1997年のブランカイアはサンジョヴェーゼをベースにメルローをブレンドし、生産本数は4万本となっています。「ブランカイアは分かりやすいスタイルで、甘く素直に美味しい」という意見を聞きますが、この1997年はまさにその通り。非常に心地よい春の空を感じさせる爽快な果実の甘味が全体を支配し、主張はしないがそれに負けない堅牢さを密かに持ったボディと、非常に分かりやすく誰が飲んでもウマイと感じる素直に美味しいワインとなっています。
マッツェイ所有ワイナリー(ブランカイアの畑はスイス人に売却済ですが、今回の1997年ヴィンテージまではマッツェイの醸造設備を利用)のトレ・ビッキエーリ対決ということで、同じヴィンテージのカステッロ・ディ・フォンテルートリとの直接対決を敢行したのですが、両者の性格が根本的に異なるので、ハッキリと両者を同じ土俵でくらべることはできませんでした。味とポテンシャルの比率が4:6といった感じのカステッロ・ディ・フォンテルートリにくらべ、ブランカイアは9:1といえるほどの徹底した魅力がウリであり、ここから先はもはや飲む人の好みのみに委ねられると思います。個人的にも甲乙つけ難いところなのですが、より幅広い懐とポテンシャルを持ちながらも高い位置でのコストパフォーマンスを実現しているという2点を考慮し、今回はカステッロ・ディ・フォンテルートリに1票を投じさせてもらいます。
もしブランカイアの価格がもう少し押さえられれば(近年の高評価によってますます値段は上がる傾向にありますが)、魅力対費用という部分ではトップを争うワインになるかもしれません。なので、手頃な値段で購入できるという大前提の上での話しですが、今後の新しいヴィンテージも含めてお薦めしたい1本です。
(2002/03)