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まずは香りで圧倒。この時点で様々な期待が膨らみます。抜栓直後はミディアムボディなバランスよいスタイルでしたが、30分を過ぎたあたりで急激に変化が始まります。まるでスイッチが入ったかのような変貌ぶりで、急激にフルボディなスタイルに傾き、アルコール感と果実味が相まった非常に優れたスタイルへと昇華します。完全に開く頃にはキャンティ・クラッシコという枠を軽く飛び越え、想像を遥かに越えるポテンシャルを感じさせてくれます。瞬間的な煌めきは若干劣るものの、バランスを重視した総体面ではアマのキャンティに匹敵する程のウマサとポテンシャルを纏っています。
単純に美味しいワイン、懐が深く将来が期待できるワイン、その両方の良さをバランスよく維持している姿には感服します。確かにツッコめる部分は多少あり、タンニンも鋭く膨大ではありますが、その圧倒的な説得力の前には感服するしかありませんでした。セパージュはサンジョヴェーゼ90%にカベルネ・ソーヴィニヨン10%と、まるでサンマルコのセパージュを反対にしたようであり、アンティノリのティニャネッロとソライアの関係性が頭を過ります。これらのワイン達とは一概に比較できませんが、コストパフォーマンスを考えるとこちらのワインの方が圧倒的にお薦めです。
この内容だと当然と言えるかもしれませんが、01年度版のガンベロ・ロッソでは見事トレ・ビッキエーリを獲得していますし、ワイナートでも「もはやキャンティを超えた、スーパー・キャンティと呼ぶしかない存在だ(1995年)」と絶賛されています。まさに要チェックワインであり、キャンティ・クラッシコに対する価値観が変わる程の逸品だと思います。
(2002/03)